こちらのページでは、子どもによく見られる症状についてまとめています。症状ごとの特徴や注意点もあわせて紹介しています。

  • 気管支喘息
  • 後鼻漏
  • アレルギー性鼻炎
  • 胃食道逆流症

鼻の粘膜にある受容体が化学的/機械的/温度的刺激に反応するほか、アレルギー性鼻炎の反応(ヒスタミンなど)がコリン作動性の副交感神経を介してアセチルコリンを分泌、これが鼻汁をたくさん産生します。

  • 母乳やミルクが飲みにくい(赤ちゃん)
  • いびきをかく

痛みの場所や性状、診察所見から腹痛の原因を考えます。

小腸・大腸:腹部全体や、左下腹部が痛むことがあります。胃腸炎などのほか、小児においては便秘が腹痛の原因の大きな部分を占めます。胃腸炎の原因としては、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどのウイルス、サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌(O157)などの細菌が挙げられます。小腸は空腸と回腸にわかれており、回腸末端炎は右下腹部が痛くなることから虫垂炎との鑑別が必要になります。感染症以外の原因としては、腸と腸がはまり込む腸重積や、ねじれや狭窄により腸管血流が途絶する絞扼性イレウスなどがあり、緊急での処置や手術の適応となります。IgA血管炎では、点滴的な紫斑(主に下肢にできる)とともに強い腹痛がみられることがあります。

虫垂:いわゆる「盲腸」の正式名称が「虫垂炎」です。小腸から大腸に移行した部分が盲腸で、虫垂は盲腸から伸びています。小さいこどもの虫垂炎は、破裂、腹膜炎からの菌血症など緊急性・重症度が高くなる可能性があり注意が必要です。軽症であれば抗菌薬を治療で改善します。最近では急性期には抗菌薬治療で抑え、間隔をあけて待機的に手術を行うことも一般的です。

胃・十二指腸:心窩部(みぞおち)あたりがキリキリと痛む場合は急性胃炎など、胃からくる症状かもしれません。胃から続く十二指腸も同様に炎症を起こしたり、潰瘍を作ったりします。胃潰瘍は食事により痛みが強くなる一方、十二指腸潰瘍では食前に痛みが強い傾向にあります。治療としては制酸薬(ファモチジンやプロトンポンプ阻害薬)を用います。問診ではピロリ菌の家族歴がないか確認することも重要です。

肝臓:肝臓自体に炎症があってもあまり痛くないことが多く、血液検査により肝機能の異常が見つかることもしばしばあります。EBウイルスなどによる伝染性単核症では肝腫大をきたすことがあり、肝臓の腫大が強いと痛みが出ます。

胆嚢:小児では成人ほど胆石発作や胆嚢炎・胆管炎の頻度は高くありません。先天的な胆道の異常(胆管拡張症)などに併発することがあります。稀ではありますが、菌血症への移行など、重症化に注意が必要です。

脾臓:肝臓同様に、脾腫(脾臓が腫れる)の時に痛みを生じることがあります。脾腫の原因としては、前述のEBウイルスなどによる伝染性単核症のほか、稀なものとしては血液疾患や肝不全などがあります。

膵臓:成人ではお酒の飲みすぎなどを原因として急性膵炎となりますが、小児では先天異常(膵胆管合流異常など)に伴う膵炎や遺伝性の膵炎などがみられます。腹痛や背部痛がみられ、血液検査でアミラーゼやリパーゼを調べることで診断されます。

腹膜:内臓を包んでいる膜が腹膜です。例えば虫垂炎の炎症が波及したり、腸管壁の破綻により細菌が腹膜に広がることで腹膜炎を引きここします。特徴としては痛みが響きやすいため、歩くだけでも痛く、じっと動かなくなります。また反跳痛といって、触診時に押したときと同じかそれ以上に離したときに痛みを強く感じます。

腎臓・膀胱:膀胱炎や尿路感染症では腹部の痛みがそれほどはっきりと出るわけではありません。腎臓に炎症があると背中側(CVA:肋骨と脊椎で囲まれた範囲)を叩いた時に痛みを感じるCVA叩打痛がみられることがあります。

便が数日でない、便が固くて出しづらい、便がでなくてお腹が痛い、排便時に出血する、など便秘を原因とする症状でお困りのお子さんは結構多いと思われます。

ROME Ⅳという便秘の診断基準があります。4歳未満と4歳以上で基準がわかれていますが、項目として排便が週に2回以下、過度の便貯留、痛みを伴う・硬い便通、直腸に大きな便塊、便失禁、排便を我慢する姿勢などがあります。

排便を我慢することにより便が貯留し硬くなり、排出が難しく便秘につながります。リズムよく排便ができるように対処法・治療法を身につけましょう。

小児科にはさまざまな皮膚の異常を心配され受診される方がいます。生まれつきのあざ(赤あざ、青あざ、黒色斑、脱毛)や、乳児湿疹(脂漏性皮膚炎)、おむつかぶれ、よだれかぶれ、じんましんや乾燥肌、アトピー性皮膚炎など多岐にわたります。

食べこぼしや、排泄物で皮膚が刺激をうけ、そこを綺麗にしようと擦ったりぬぐったりすることでさらに刺激をうけ、乾燥してさらに・・・と悪循環にならないよう気を付けましょう。

ガイドラインでは5歳以上の小児において、1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続いた場合を夜尿とし、1週間に4回以上を頻回夜尿、3日以下を非頻回としています。生まれてから夜尿がなくなることなく5歳以上になった場合を一次性夜尿といいます。一方で一度夜尿がなくなった(6カ月以上)のに、またおねしょをするようになった、場合は二次性として、夜尿をきたしやすい何らかの原因がないか注意深くみていく必要があります。尿崩症や甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患によっても夜尿をきたします。

ちなみに5歳で夜尿がある子は全体の15%と少なくありません。中学生で2-3%、高校生で1-2%。意外とみんなおねしょしているのです。